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情報BOX 【 知って得するサイバーセキュリティ講座 】

第25回個人情報取得のポリシー

2013年11月20日

今回は、個人情報の漏洩のリスクを少なくするための方法を、さらに詳しく紹介したいと思います。キーワードは、「取らない」「残さない」「隔離する」「分離する」「暗号化する」「制限する」です。

顧客情報については、これまでの、できるだけ詳細なデータを取得するという方針から、取得する必要がないものは「取らない」という方針に転換すべきでしょう。

いくらマーケティングのためとはいえ、ユーザ登録とともに住所などを仔細に書き込ませるのは無意味です。取得する情報は必要最低限に抑えるべきでしょう。住所のような情報は、実際に必要になった際に、改めて提供を求めても問題がないはずです。

また、得た情報の中でも使用頻度が低いものは「残さない」ことで、漏洩のリスクを軽減することができます。一時的な利便性よりも安全性を重視するほうが良い場合があります。たとえば、年に1度しか使わないようなショッピングサイトで、ユーザ情報を保管する必要はないはずです。少なくとも、「郵送先の住所と電話番号と……を入力ください。今後、頻繁にご利用予定のある方は、入力情報の保存を選択することができます」という具合に、ユーザに選択肢を提示するべきです。

さらに、発注データなどは必要なくなれば「隔離する」ことです。こうした情報は必ずしも発注データをウェブサーバからアクセスできるデータベースに保管する必要はありませんから、外部から直接参照できない社内の別の場所にあるデータベースへ移動させるなど、閉じた環境のみに置くようにします。メールで管理者と利用者に発注データと発注番号を送れば、後の処理は事足りる場合も多いからです。

参照する必要があるものは「分離する」ことです。たとえば、クレジットカードを識別するためにクレジットカード番号の下4けたのみで用が足りる場合などのように、データの一部のみ残し、残りを分離して保管するのです。

また、本人のみが分かるように「暗号化する」のも有効です。たとえばパスワードに一方向暗号(データから暗号文に変換できるが、逆に暗号文から元のデータに戻せないような暗号方式)を行ったもののみを残すなどのように、仮に暗号化されたデータが漏れても、元のデータに戻せないようにします。

必要最低限のアクセス方法に「制限する」のも良いでしょう。プログラム開発時の利便性よりも、データの安全性を重視したデータ配置にします。ウェブサーバから、SQL※を使って直接データベースへ問い合わせることを禁止し、ウェブサーバとデータベースの間に、指定されたユーザ情報のみを返すだけのプログラムを用意します。ウェブサーバからはそのプログラムだけが動くようにすることで、SQLを使って外部からすべてのユーザ情報が一気に盗まれる危険を避けることができます。

これらの原則が守られているか、サービスを提供する企業がシステム開発会社に対して発注を行う場合は、要件・設計・開発に目を光らせることが大切です。最終的に、データがどのように管理されているかは、開発者側ではなく、運用者側が責任を負います。「任せていた」では、社会的責任・道義的責任は果たせないことを認識しておきましょう。

※(SQL)…データの操作や定義を行うためのデータベース言語。

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 ◆ 次回は「即応性の危機管理広報」についてお届けします。

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