「HOPE Cloud Chart」から「HOPE Cloud Chart Ⅱ」への更新経緯

本更新前の「HOPE Cloud Chart」導入時は、紙カルテを電子化する「ペーパーレス化」が大きなテーマでした。
西館の竣工と同時のタイミングでしたので、サーバーの設置スペースやランニングコスト、災害対策を検討し、よりメリットが大きいと考えた「クラウド化」に踏み切りました。
クラウド型の電子カルテシステム導入については、全国でも比較的早かった方だと思います。

電子カルテの利用に抵抗感があった職員もいましたが、実際に使ってみると「電子カルテは便利」と実感していく場面が多々ありました。
特に情報の管理と共有、業務の効率化などで、現在では必要不可欠なシステムとなっています。
その利便性が院内に定着すると、電子カルテを扱う端末不足が課題になってきました。
職員数もおかげ様で増えており、近年では多職種連携の必要性も高まっているためです。
そこで今回、「HOPE Cloud Chart Ⅱ」にアップグレードし、端末のライセンス数を増やすとともに、モバイルソリューションである「HOPE PocketChart」を併せて導入することで、セキュリティを確保しながら、タブレットなどのモバイル端末で外出中や往診中の医師が電子カルテを閲覧したり、看護師がラウンド時に診療情報をチェックしたりできるようになりました。

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機能のフル活用について

※文中のトーテックアメニティは、以後「トーテック」

優秀なシステムとして非常に多くの機能を備えているのが電子カルテですから、使える機能は徹底的に使う心意気です。
当院は急性期、慢性期、回リハ・地ケアの回復期から緩和ケアまでをカバーする「スーパーケアミックス病院」と銘打っています。
専門性の高い医師も数多く勤務しており、地域の皆さんが体調面で何かお困りごとがあった際に、対応可能な体制を整えています。
2021年に発足したEMT科（救急救命士科）において、病院救急車の運用を開始したのもその1つです。
こうした時代や地域ニーズへの多数の取り組みの一方で、電子カルテ1つですべての情報をカバーするのは、正直なところ難しくなってきています。
そこを上手く連携・運用できるように、電子カルテのカスタマイズや他システムとの連携などをトーテックにお願いしています。

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トーテックの対応について

今回の「HOPE Cloud Chart Ⅱ」への更新と併せて、様々な部門システムについても更新や新規導入を行いました。
その数は20システム以上になりましたので、各システムに接続されている各モダリティとの接続・調整も当然必要となってきます。
通常であれば病院側で各部門システムのベンダーとそれぞれ調整していくのですが、あまりにもIT担当者の業務負荷が大きくなってしまうため、今回はトーテックを各ベンダーの窓口として、その交渉や調整をワンストップで代行いただきました。
トーテックは電子カルテだけでなく、HIS（病院情報システム）やPACS（医療用画像管理システム）、RIS（放射線科情報システム）、そしてそれらに繋がるモダリティ接続といった、特に専門性の高い部門システムにいたるまで数多くの導入実績を持ちますので、安心してお任せできました。

こうした実績もあり、現在はトーテックのSEに当院常駐として月に8日間程度、SEサポートに来ていただいています。
一般的に「SE不足」と言われていますが、これが医療分野となると更に不足しています。
当院での採用力では限界もありますので、医療分野のことをある程度理解し、何より当院の事を熟知しているトーテックのSEに常駐支援をお願いできて非常にありがたいです。
こうして生まれた時間的・精神的な余裕から、当院のIT部門は本来の業務に注力することができますし、IT担当者のワーク・ライフ・バランス調和にも役立っています。

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運用・サービス体制について

当院での電子カルテの位置づけはシステムの中核ですので、停止や遅延などの障害が発生すると、診察や検査だけではなく、受付や会計まですべての業務が止まってしまいます。
よって無理を承知でお願いすると、やはり障害発生自体を限りなくゼロにしていただきたいですね。
何か起こった際の一次切り分けやその後の対応も丁寧に実施いただいていますし、クラウドシステムですから、トーテックだけですべてを解決できるわけではないと理解もしてはいますが、システムの冗長性確保はもちろん、万が一の障害発生時には可能な限り迅速な復旧と再発防止をお願いします。

機微情報を扱う医療機関はサイバー攻撃の対象になりがちで、報道にもある通りインシデントも多発しています。
国からの指導も厳しくなる一方の昨今、IT-BCPについては前回の電子カルテを導入した時以上に、その重要性が増しています。
今回の電子カルテのオプションである「HOPE PocketChart」は、一般的な携帯電話回線でも診療を続けることが可能です。
当院にそうした基盤が出来たことで、クラウド環境における弱点の1つである通信手段の冗長化が確保できたことは、将来的なIT-BCPとしての担保も得られたこととなります。
「HOPE PocketChart」は認証機能も使いやすいため、本来の導入目的である隙間時間に閲覧・入力ができるという、職員の業務効率化にももちろん役立っています。

ご要望と今後について

医療行為にスピードが求められるように、医師・看護師等医療従事者も知りたい情報に少しでも早くたどり着きたいと感じています。
使いこなすほど私たち病院側の運用スキルはどんどん上がり、要望も高くなっていると思いますが、ユーザ目線での更なる使い勝手の向上を期待しています。
また、マイナンバーカードの健康保険証利用や電子処方箋といった国の施策に、経営面とのバランスを見ながら追随・導入する必要もあります。
そうした次々と生まれる要望への対応力の高さが、トーテックの強みの1つであり、長くお付き合いできている大きな理由でもあると感じています。

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担当者より

• 医療法人 済衆館 済衆館病院 様

  住所	愛知県北名古屋市鹿田西村前111番地
  URL	https://saishukan.com/

  大正3年に創立して以来、一世紀以上にわたって北名古屋・清須・豊山エリアを中心に地域に根ざした医療を推進しています。
  二次救急医療機関として病床数331床に加え、腎・透析センター42床と介護医療院38床を持ち、内科、小児科、外科、小児外科、眼科、脳神経外科、脳神経内科、整形外科、歯科、口腔外科など充実した診療体制を整え、「スーパーケアミックス病院」として急性期、慢性期、回復期リハビリ、地域包括ケア、緩和ケアまで、病期を問わず一貫した質の高い医療サービスを提供しています。
  日本医療機能評価機構認定病院として、令和3年に3度目の認定証交付を受けているほか、ワーク・ライフ・バランスの調和に取り組む愛知県ファミリー・フレンドリー企業にも登録されています。

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