事例紹介

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  • マンモグラフィ・乳房超音波レポーティングシステム「MammoRead Plus Report」導入事例

    健診業務の負担軽減に向けたレポーティングシステム開発に協力

    Client
    医療法人社団 朋仁会 広島中央健診所 様

マンモグラフィビューア「MammoRead Plus」について
トーテックアメニティは東陽テクニカ社からMammoReadシリーズを引き継ぎ、約20年にわたる製品実績を持つソフトウェアを搭載した進化型の「MammoRead Plus」として、2024年4月に販売を開始しました。
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https://mammoreadplus.jp/

レポーティングシステム「ConTEV」について
トーテックアメニティは「MammoRead Plus」の販売開始に合わせ、新たなレポーティングシステム「ConTEV」の開発をスタートさせました。
新規開発にあたりMammoReadユーザである広島中央健診所様に開発ご協力を依頼し、この度、健診業務に最適化されたレポーティングシステムとしてリリースしました。 イメージ

お客様の声

本記事ではConTEV開発に協力するに至った経緯や感想、エピソードなどをお伺いしました。

  • お話を伺った方

    医療法人社団 朋仁会 広島中央健診所の皆様

  • 人物

乳がんの早期発見、未然の防止に向けた思い

2021年の統計では、乳がんを生涯で患う女性は9人に1人と推定されており、女性が患うがんの中では最も多くなっています。
( 出典  日本対がん協会  )

乳がんは、早期に発見し治療を開始すれば、医学の進歩もあって10年生存率が90%を超えます。
また早期発見によって治療の選択ができる可能性が高まり、仮に手術となった場合でも乳房切除が小さくて済むため、患者さんの心身のご負担を減らすことができます。

それにもかかわらず乳がん検診については、「他人に乳房を見られる検査が恥ずかしい」「マンモグラフィは乳房が痛い」といった声から、検査を躊躇してしまう方が多いのも事実です。
早期に発見すれば治せる病気が、検診を受けないことによって発見が遅れ、生存率を下げてしまうことは、検診機関として本当に残念でなりません。

加えて当地の広島県は、がん検診受診率が全国平均を下回っているのです。
受診率向上のために、当所では広島市が発行している「がん検診受診券」を活用した健診を比較的割安にて受診できる施策を行っています。
施策実施前に比べて受診券利用者数が増えましたので、地域のがん検診受診率向上に微力ながら貢献できていると感じています。

当所の理念は「健康にまさる富はない」です。
より地域の皆様に気軽に検診を受けていただき、私たちは検診の技術・精度を上げていくことで皆様の健康づくりのお手伝いをすることができればと考えています。
こうした思いがあり、今回、ConTEV開発に協力させて頂きました。

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トーテックアメニティとの出会いについて

※文中のトーテックアメニティは、以後「トーテック」

初めてMammoRead関連のワークステーションを導入したのは2011年です。
時代と共に、健診のガイドラインや各現場での運用方法は変わっていくものですが、付随するレポーティングシステムはパッケージシステムですから、思うような変更やカスタマイズは出来ません。
そうした検診現場発の細かな要望が積み重なる中で更新時期を迎えました。
システム部分に関してはトーテックから提供されることになり、合わせてレポーティングシステム「ConTEV」を開発していることを伺いました。
その際に「プロトタイプの監修に協力してもらえないか」とのご依頼をいただきました。
現場の技師や医師が、普段使っているシステムの開発に携わる機会は滅多にありません。当所にとっても貴重な学びの機会でもあり、より良いマンモグラフィ検査と乳房超音波(エコー)検査につながり、ひいては乳がんの早期発見につながると判断し、参加させていただくことになりました。

当所では、乳がん検診として行うマンモグラフィと乳房超音波の検査数が、それぞれ毎日20件程度、年間合計7,000件を超えます。
事務処理、機器の取り扱い、検査画像の撮影、及びそれらのチェック、2人の医師による画像判定、機器からのデータ確認、関連書類作成など、検診に関する業務は数多くありますし、当然ながらそれぞれに神経を研ぎ澄ましています。
「ConTEV」はマンモグラフィ検査と乳房超音波検査の両方について、レポート作成が可能です。
レポート作成の作業を簡素化することで、技師や医師のレポート業務の負担軽減になると考えました。

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プロトタイプの検証について

具体的な手順としては、まずトーテック開発のプロトタイプに技師の視点から意見や要望を伝え、改良を重ねていただきました。
ある程度の完成が見えた段階で、実際の検診で技師と医師に使ってもらい、更なる意見や要望を取りまとめ、トーテックに伝えました。
実は一番初めにトーテックから提供されたプロトタイプは、使いなれた「MammoRead」のレポーティングシステムとは、入力方法や画面構成などが全く異なるものでしたので、非常に戸惑いました。

また、乳房超音波検査についてのレポーティングシステムは、当所としてもゼロからのスタートでしたので、とても不安だったことを覚えています。
しかしながら、トーテックは技師や医師からのヒアリングを重ね、その結果を踏まえて試行錯誤をしてくれましたので、実務者の要望に沿ったレポーティングシステムに仕上ったと思います。
「より良いものを作りたい」という点について、当所とトーテックは一致していましたから、かなりのシナジー効果があったと思います。

ひと口に「レポート」と言ってもモノでなく機能ですので、どのように運用されているのか、技師や医師の1人1人がどの様に使っているかなど、現場に常駐するぐらいの濃さで実務に入っていかないと、営業さんや開発を担当するSEさんにとって分からないことは数多くあると思います。
特に当所の様な検診施設の場合は、様々なガイドラインに沿って検診を行うため、一般の病院での運用とはかなり異なります。
そのような部分も含めて、トーテックは非常に熱心に現場の声に耳を傾けてくれたと思います。

現在の運用状況やサポートについて

「MammoRead」と「MammoRead Plus Report」の両方について、大きなトラブルはなく稼働しています。小さなトラブルはありましたが、いずれも迅速に対応していただけました。
ただ、バージョンアップされたソフトウェアと新規開発のソフトウェアですので、実際に使ってみないと分からない部分も多く、稼働後に技師・医師から出てきた要望などもありました。
元々、その全てを迅速に反映していただけるとは想定していませんでしたが、それでも打ち合わせの場を持ち、システム側で出来ること・出来ないことを切り分け、可能な限り改修していただきました。

「MammoRead Plus Report」については、今までの「MammoRead」のレポーティングシステムに比べて必須項目のチェックができる様になったこと、自動でカテゴリー判定ができる様になったこと、一次読影と二次読影の相違が分かりやすくなったこと、Webブラウザで所見結果の内容確認ができるようになったことなどが改善点として挙げられます。
また今回の更新では、施設の既設端末にもWebブラウザのレポートライセンスを追加をしました。
今まではMammoRead端末でしか所見入力ができなかったため、現場が受診者の協力を得ながら効率的に検査を進めても、入力の順番・確認待ちで時間を取られていたのが、今回のライセンス追加で複数の技師や医師が同時に、それぞれの業務に合わせて自身の端末で入力できるようになりました。
結果として業務効率も上がり、より検査に注力できるようになりました。

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トーテックへの期待について

当所には、乳がん検診超音波検査実施技師や検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師がおり、積極的な関係学会への参加や、そうした最新知見を持ちかえっての部内研修会、症例の検討会等も自発的に開催するなど、日々、知識や技術の研鑽に励んでいます。
2024年2月にマンモグラフィ検査機器の更新を行い、2025年7月には乳腺の超音波検査機器の更新も行いました。
技師というソフト面と機器というハード面の両面から、より質の高い検診を通じ、受診者の皆さんが安心して検査を受けていただくことを目指しています。

トーテックにも、さらなる品質向上を期待しています。
「システムを導入したらおしまい」ではなく、また単なるサポートでもなく、更に現場の声をよく聞いていただいて反映・改善し、MammoReadシリーズをより一層良いものにしてほしいと思っています。

他の検診施設や医療機関でもMammoReadシリーズとConTEVの各レポーティングシステムが有効に利用されるようになれば、より多くの知見が集まり、乳がんの早期発見・早期治療にもつながるのではと期待しています。

担当者より

この度は「MammoRead」の更新、及びレポーティングシステム「ConTEV」の新規開発に向けたご協力をいただき、誠にありがとうございました。
電子カルテや医事システムなどで数多くの導入実績を持つ当社ではありますが、新たに自社ソリューションとして取り組むにあたって多大なるご教示をいただき、私自身も日々学ばせていただいています。
医学の進歩は目覚ましく、特に乳がんについての早期発見・早期治療の重要性については一般的にも知られる様になりました。
そうした取り組みの最前線にいる広島中央健診所様の志に敬意を持ちつつ、当社の取組みがその一助となれる様に、さらに製販一体となって取り組んでまいります。

  • 人物
  • トーテックアメニティ株式会社
    医療システム事業部 ソリューション営業部  糸井

お客様情報

  • 医療法人社団 朋仁会 広島中央健診所 様
    URL https://h-chuuken.or.jp/

    昭和47年(1972年)“健康にまさる富はない”を基本理念に、病気の早期発見・早期治療、さらに病気を未然に防ぐことを目的に開設されました。
    以来、人間ドック・脳ドック・定期健診センターを備えた総合健診センターとして、地域の健康管理に取り組んでいます。
    日本人間ドック・予防医療学会から『人間ドック健診施設認定』を受け、健康保険組合連合会などからの推薦を受けている他、一般社団法人日本総合健診医学会の優良施設、及び日本脳ドック学会による認定施設となっております。

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