研修室ブログ

日々スキルアップや自己研鑽に励む社員や、それをサポートする講師・間接部門スタッフがその日常をつづります。

座ぐりの表記に関して
2021年5月17日(月) 「機械プラント製図」という資格試験があるのですが、現在、私の研修の一環として模範解答を作成しています。
画像はその一部を切り取ったものですが、どこかが間違っています。どこか分かりますか?
ヒントは、「この部品を見ている方向は、相手部品と合わせる面」ということです。
引っかかってしまった方もいるかもしれませんが、0~2mmくらいの浅い座ぐりの場合、座ぐりの外形線は省略して良いため間違いではありません。
正解は、裏面の座ぐりを指示する所が、表面からの座ぐりの指示になっているという箇所です。
JISでの製図方法に則るのであれば、断面図や側面方向から指示する方が穴形状が分かりやすいため良いです。しかしながら、画像のように穴が複数ある場合は、正面から引き出した方が穴の位置が分かりやすいのです。
でも「3面図(平面図、正面図、側面図)じゃないと図枠に入らない」とか、「わざわざ座ぐりを反対面からの加工で指示したいくらいで図面を起こすとか大変」なんて思いますよね?
そうした時は引き出し寸法の一番最後に『(反対面)』など、言葉で指示する方法をよく使います。
JIS的には正しくないのかもしれませんが、本来 図面とは加工業者さんにこちらの意図を伝えるものであり、いくらJIS的に正しくても伝わらなければ意味がありません。
私は「相手に伝わる図面を書いてあげる事が一番大切」だと思います。
もちろん図面について「正しい」「間違っている」は、個人や企業によって全く違うので一概には言えませんけどね。。。
筆者:K.T.(機械設計エンジニア) タグ:機械設計