事例紹介
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キャラクター、写真、ロゴの出典元 「上伊那広域連合」公式サイト https://www.union-kamiina.jp/
キャラクター名:上伊那広域連合キャラクター「アルプスくん」 -
総合住民情報システム『G-COAS』 導入事例
汎用機時代からのシステム共同利用で8市町村のITコストを削減し、事務の効率化を実現
Client
上伊那広域連合 様(長野県)
お客様の声
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お話を伺った方
上伊那広域連合 情報システム課 宮尾課長
(組織・ご担当者情報は取材当時のものです)
上伊那広域連合の成り立ちや情報システム課の役割
「上伊那」とは、長野県南信地方の伊那市、駒ヶ根市、辰野町、箕輪町、飯島町、南箕輪村、中川村、宮田村の2市3町3村の地域を指します。
各市町村の特性と時代に対応した地域づくりを連携して推進するために、昭和46年、前身の「上伊那地域広域行政事務組合」が設立され、平成11年7月に「上伊那広域連合」が発足しました。
システムの共同利用については、昭和40年代頃から行政分野でも税計算などについてコンピューター化が始まったものの、当時のコンピューターは非常に高額で、上伊那地区の単一自治体規模では購入することが難しかったのが契機と聞いています。
そこで、コンピューターを上伊那地域全体で導入できないかとの調査研究が始まり、情報センターが開設された後、昭和52年10月に共同利用を実現しています。
当時は、各市町村から派遣された電算担当の職員が、各種の業務システムを開発していました。
各市町村の業務担当者から成る分科会で業務内容のヒアリングを行い、電算担当が要件定義~設計~プログラミングまで行っていたほか、外部設計の一環として専用帳票の設計、印刷会社への発注も行っていました。
システムリソースも当時は高額であり、それらを含めて効率化を行うため、帳票を含むシステムの仕様を上伊那地域全体で統一する運用を、各システムの稼働当初から続けてきました。
現在では、各市町村の業務システムについては、ホームページといった外部向けインターネット利用を除き共同で調達と管理を行っています。
併せて一部業務のオペレーションや、帳票製作からシーラー加工等の印刷物対応なども共同で行うことで、市町村事務の効率化をサポートしています。
「G-COAS」導入の経緯
※文中のトーテックアメニティは、以後「トーテック」
自己開発したシステムによる共同での運用をスタートして以来、当課で管理する業務システムは順次拡大していきました。
しかしながら法制度が年々複雑化し、自己開発によるシステム対応が難しくなってきていました。
また時代の流れとして、各市町村からオープン化を求める声も高まっていたため、自己開発システムからパッケージシステムへと切り替えることになりました。
平成20年4月に税などのシステムから順次切り替えが始まり、翌年6月にはすべての業務がパッケージシステムに切り替わりました。
要となる住民記録システムについては、当時、採用したシステムは他社の提供するシステムでしたが、その導入や運用にトーテックのSEが関わっており、また販売会社としてトーテックが総合行政システムである「G-COAS」を扱っていました。
こうした経緯を辿り、またプロポーザルを経て、トーテックに一本化していくことになりました。
「G-COAS 」がオープン化の流れにそった良いパッケージであったのは勿論なのですが、トーテックはSIerとして古株で、自治体向けシステムの導入に多数の実績を持ち、本社が長野県の隣県である愛知県名古屋市にあるので迅速な対応が期待できるという安心感もありました。
現在のトーテックは松本市に事業所を構えていますし、複数名の常駐エンジニアを中心に真摯に運用・保守や業務支援にあたってくれていますので、その安心感は増しています。
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上伊那広域連合情報システム課 職員様 -
当社常駐エンジニアおよび担当営業
システムを共同利用するメリット
一番大きなメリットはコスト削減です。 構成8市町村で仕様の統一・帳票様式の統一を行うことで管理運用コストを抑え、サービスレベルの均一化を可能にしています。
副次的な効果としては、仕様を統一することで各市町村の担当者の業務内容もある程度統一されるため、自治体職員の事務的な相談やナレッジの共有がスムーズになること、地域住民の方にとっては、引っ越しをしても上伊那広域連合内であれば前の居住市町村と同様の住民サービスを、引っ越し先の自治体からあまり違和感なく受けていただけることなどを挙げることができます。
構成8市町村とは地元通信事業者や市町村自設の光回線を利用することで、キャリア回線に比べると安価で高速なWANを構築することができています。
共同利用について課題があるとすれば、新しいシステムやサービスなどを導入する際に構成市町村すべての同意を得ながらプロジェクトを進めていく必要があるため、その調整や意思決定に時間を要することでしょうか。
元々、「上伊那」として地域的な横のつながりが強く、様々な分野で域内の事務効率を高めてきた結果の共同利用です。
当課の歩みを振り返ると、地方の小規模自治体の集まりによる住民情報システムをはじめとしたシステムの共同利用は先進的かもしれませんが、各市町村からは共同利用に対して特別視はされていないようにも思えます。
それでもより一層のコスト削減や業務効率化の目的と共に、情報や知見の共有化を図るためには必要なプロセスであると思います。
トーテックに期待すること
デジタル庁が推進する地方公共団体基幹業務システムの統一・標準化により、20業務がガバメントクラウドに移行され、それ以外のシステムは引き続き上伊那情報センターで運用することになっています。
実は、この国の政策で上伊那広域連合では非効率になってしまう部分も出てくるのですが、現状の共同利用の枠組みを活かして、その非効率さを改善していきたいと考えています。
そういった面でトーテックには、これまで15年以上にわたるお付き合いの中で蓄積された知見や経験を活かして、より良い提案をしていただければと思います。
また、自治体DXによって窓口改革も進むと思われます。
これまでフロントヤードとバックヤードで明確に分けられていた業務の区分が大きく変化し、その垣根がなくなっていく可能性が考えられています。
この流動的な状況において、上伊那広域連合はどのような対策を採用し、どのような役割を担っていくべきなのか、とりわけ業務システム、フロントエンド、バックエンドのデータ連携をどのようにしていくかは、重要なテーマになっていくと思われます。
他の自治体における事例や上伊那地域に適した提案などがあれば、積極的に情報提供をお願いしたいです。
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上伊那広域連合情報システム課 宮尾課長 -
情報システム課職員様および当社社員
担当者より
上伊那広域連合様には、15年以上もの間、総合行政システムをご利用いただきまして誠にありがとうございます。
私は入社2年目から上伊那広域連合様の担当を引き継ぎ、当時から今まで大変恐縮ながら、私自身が情報システム課様に育てて頂いた感覚を持っています。
これからも、上伊那広域連合様が持つ課題に対し、当社が自治体様向けに積み重ねてきた知見や経験を元に、その解決の糸口になる様なご提案をしていきたいと思います。
さらには、地域住民の皆様へより一層の行政サービス向上の一助となれるよう、更に精進を重ねてまいります。
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トーテックアメニティ株式会社
公共システム事業部東日本営業部 花形
お客様情報
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- 上伊那広域連合 様
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南アルプスと中央アルプスの狭間を縫うように流れる天竜川と、その流域の河岸段丘に様々な都市や農村が存在する上伊那地域は、古くは街道の交差する交通の要衝であり、現在は中央自動車道経由で首都圏へも名古屋へも約2時間30分の距離ながら、豊かな自然に恵まれています。
上伊那広域連合は、その上伊那地域の8市町村が連携し地域づくりを推進するための組織であり、情報システム課が域内自治体の業務システムの共同利用を推進しています。
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