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情報BOX 【 知って得するサイバーセキュリティ講座 】

第6回人間の持つ脆弱性

2012年4月12日

サイバー攻撃は、技術的に根絶がむずかしい脆弱性を巧みについてきます。あの手この手で私たちの重要な情報を奪取したり、様々な悪影響を与えようとしたり画策します。
しかし、サイバー攻撃では、ソフトウェアの脆弱性のみが問題になるわけではありません。実は、脆弱性は、私たち人間にも潜んでいるのです。

人間の弱み

どんなに気をつけていても、人間は騙されたり、誤認や誤解を起こしたりするものです。人間にも脆弱性が存在しているのです。そして攻撃者は、ソフトウェアの脆弱性と共に、この人間の脆弱性も、巧みに攻撃してきます。

歴史上、もっとも有名なクラッカーの一人であるケビン・ミトニックは、2003年の著書「欺術(原題:The Art of Deception)」において、「人間の弱み」を6つに分類しています。

  • (1)権威に弱い
  • (2)好き嫌いに弱い
  • (3)お礼に弱い
  • (4)約束に弱い
  • (5)横並び社会に弱い
  • (6)希少性に弱い

(1)は権威のある者に弱く、権威者を語った要求に応えてしまうこと、(2)は自分が好感を持っている相手からの要求に応えてしまうこと、(3)「お礼に○×を(して)あげる」といわれると、要求に応えてしまうこと、(4)ひとたび肯定してしまった事柄に対して、後から拒否するのは難しいということ、(5)「他の人もそのようにしている」というと言われると、安心して要求に応えてしまうこと、(6)供給量が少なかったり、一定期間しか手に入れることができない限定物を手に入れるために行動してしまうことを指します。

これらの「人間の弱み」の6分類のほかに、誤ってしまうことで脆弱性につながることもあります。

そのことを知らないために誤った対応をしてしまう「無知」、注意力が続かないために、危うい行動を取ってしまう「不注意」、見分けがつきにくいものを見た結果、誤った認識で行動をする「誤認」、理解しにくいものの判断を迫られ、誤って解釈して行動をする「誤解」などによって、ミスユース(誤用)を行ってしまう場合があります。

騙しの技術

攻撃者はこの人間の脆弱性を利用して、ミスユース(誤用)、を行うように仕向けてきます。これら人間の脆弱性を狙って行われる攻撃のことを「ソーシャルエンジニアリング」といいます。

例えば、突然電話がかかってきて「あなたのパスワードを教えてください」を言われたら、普通であれば教えることはないでしょう。

では、次のように前置きをされたら、どれだけの人が教えることはないと言い切れるでしょうか。ここでは、個人情報漏洩などにより、メールアドレスと電話番号が漏れていると仮定し、サービスプロバイダの名前は、メールアドレスから類推します。

「インターネット・サービス・プロバイダのXXXサポートセンタです。サーバのディスク障害のため、パスワードファイルが一部破損したため…。」 実際には、もう少し手の込んだ前置きを置いて、電話で聞かざるを得ない理由や、専門用語を並べたりしながら、信じ込ませようとするでしょう。もし、実際に契約しているサービスプロバイダの名前を語る相手から、このような電話がかかってきたら、あなたは本当に、パスワードを教えることはないと断言できるでしょうか。

このパターンでは、サービスプロバイダのサポートセンタであると語ることで、(1)権威に弱い、という脆弱性が攻撃されています。パスワードが盗まれることで、アカウントが乗っ取られ、そこからさまざまな悪用が行われてしまいます。

通常、電話でパスワードを聞かれることはあり得ません。もしも、そのような怪しい電話があった場合は、まず相手の電話番号を聞き、折り返して連絡することが有効です。実際に、サービスプロバイダの公式な電話番号に対して連絡を行い、事実確認を行うことも有効です。

いちいち折り返して電話するのは面倒だと考えたりしていませんか?そこが、大きな落とし穴となります。

得てして人間は、面倒を避ける傾向があるため、攻撃者は、そこを逆手にとって攻撃しようとします。大事なことだからと、長々と電話をされたら面倒になって適当に答えたりしませんか?攻撃者は、そういった隙に付け込んで、最後に、本当に重要な情報を聞き出す質問を付け加えてきたりするのです。

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◆ 次回は「サイバー攻撃を受けたら何をするべきか【手順1】」についてお届けします。

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